皇位継承問題有識者会議の議題10の項目とは?わかりやすくまとめた

皇位継承問題有識者会議の議題10の項目とは?わかりやすくまとめた

2005年の「皇室典範に関する有識者会議」、2016年~17年の「天皇退位有識者会議」に続く有識者会議シリーズ第3弾、「皇位継承問題有識者会議」が2021年3月23日に初会合が開催されました。

 

菅総理から「様々な考え方をわかりやすい形で整理していただきたい」と委ねられた会議での議題についてまとめてみました。

 

 

2021年版「有識者会議」議題10の項目とは?

会議では、以下の10の項目について話し合われます。

1.天皇の役割や活動についてどのように考えるか

2.皇族の役割や活動についてどのように考えるか

3.皇族数の減少についてどのように考えるか

4.皇統に属する男系である皇族のみが皇位継承資格を有し、女性皇族は婚姻に伴い皇族の身分を離れることとしている現行制度の意義をどのように考えるか。

5.内親王・女王に皇位継承資格を認めることについてはどのように考えるか

6.皇位継承資格を女系に拡大することについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。

7.内親王・女王が婚姻後も皇族のに身分を保持することについてはどのように考えるか。その場合、配偶者や生まれてくる子を皇族とすることについてはどのように考えるか。

8.婚姻により皇族の身分を離れた元女性皇族が皇室の活動を支援することについてはどのように考えるか

9.皇統に属する男系の男子を下記①または②により皇族とるすことについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。

①現行の皇室典範により皇族には認められていない養子縁組を可能とすること。

②皇統に属する男系の男子を現在の皇族と別に皇族とすること。

10.安定的な皇位継承を確保するための方策や、皇族数の減少に係る対応方策として、そのほかにどのようなものが考えられるか。

引用元:2021年3月24日産経新聞朝刊

 

こちらの議題を話し合うメンバーについては、こちらにまとめました。

>>皇位継承有識者会議メンバーに俳優も?メンバー紹介と選出理由まとめ

 

皇位継承問題の一番大きな争点「女性天皇・女系天皇」

2005年有識者会議で方針決定していた女性皇族への考え方

2005年当時、現在の上皇が天皇である時の項継承者は下記の通りでした。

1位:現在の天皇陛下(当時44歳)

2位:現在の秋篠宮皇嗣殿下(当時39歳)

3位:現在の上皇陛下の弟の常陸宮親王(当時69歳)

当時は、上記3名以外の男系・男子がおらず、他は全て女性の方でした。このため、いづれ愛子様が天皇になる時がくるのではないかと取り沙汰されましたが、当時の皇室典範では、天皇は「男系・男子のみ」がなれるものでした。これにより、「女性天皇」や「女系天皇」に焦点があたり、議論が次第に大きくなっていった背景があります。

そして、小泉政権下で開催された2005年の有識者会議では、「女子や女系の皇族に拡大することが必要である」との報告をする形で終了しました。つまり、「女性天皇・女系天皇・女性宮家創設」は前向き取り入れるべきという話し合いで終わったという事です。

しかし、2006年9月6日悠仁親王の誕生により、一旦この議論も下火になりました。また、現在の眞子さまと小室圭さんの結婚に関する問題で「女性宮家創設」に対する国民の意識も変わりつつあります。

そして、2021年現在での皇位継承順位は下記の通りです。

1位:秋篠宮皇嗣殿下

2位:秋篠宮家の長男・悠仁親王

3位:上皇陛下の弟の常陸宮親王

 

意外と間違いやすい「女性天皇」と「女系天皇」をさらっと復習

「女性天皇」と「女系天皇」が混同されがちなので、下記に大まかな違いをまとめました。

女性天皇:性別が女性である天皇。(父方のみを辿って天皇に行き着つく)

例)愛子内親王が天皇になった。=女性天皇

女系天皇:性別は男性・女性どちらであっても、その天皇の母親が皇族であれば「女系天皇」となる。(父方のみを辿って天皇に行き着かない)

例)将来、愛子内親王が男子をお産みになり、その男子が後に天皇となった。=その男子は女系天皇

 

過去にも女性天皇はいた

実は、歴代126代天皇の中でたった8人、女性天皇が存在しました。もちろん、この8名は父方をたどれば、天皇に行き着く方々なので、「男系の女性天皇」という事になります。

第33代 推古天皇(592-628)
第35代 皇極天皇(642-645)
第37代 斉明天皇(655-661)
第41代 持統天皇(690-697)
第43代 元明天皇(707-715)
第44代 元正天皇(715-724)
第46代 孝謙天皇(749-758)
第48代 称徳天皇(764-770)
第109代 明正天皇(1629-1643)
第117代 後桜町天皇(1762-1770)
推古天皇や持統天皇あたりは、歴史の勉強で目にした記憶がありますが、意外に女性天皇はいたんですね。

女系天皇は過去に存在していた?

女性天皇が8名もいたのだから、何人かは女系天皇がいたんじゃないと思うかもしれませんが、答えはNOです。

ピンチヒッター的に女性が天皇を務めた歴史はありますが、皇族の女性と皇族外の男性が結婚し、そこから生まれた子供が天皇になった歴史はありません。

だからこそ、この皇位継承問題は簡単には結論を出せない、非常に重い議題なのです。

 

皇位継承問題解決の糸口は旧宮家の復活!?

今回の議題10項目の9番目でそのことについて触れられています。

9-①現行の皇室典範により皇族には認められていない養子縁組を可能とすること。

9-②皇統に属する男系の男子を現在の皇族と別に皇族とすること。

旧宮家とは、もともと皇族でしたが、戦後GHQの手ににより昭和天皇の実弟である3宮家を残し、皇室離脱を余儀なくされました。

つまり旧宮家の方々は現在は民間人であっても70年ちょっと前までは、天皇家とつながりのあるれっきとした皇族だったのです。

前項を踏まえると、この旧宮家の復活が有用な手段に見えてきます。

 

 

まとめ

今回は、

・有識者会議での10項目の議題

・女性天皇・女系天皇について

・旧宮家の復活について

の3点について触れてきました。

世界でも最も権威のある日本の皇室をどう守っていくのか、今後もこの議題から目を背けることはできません。

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