皇位継承有識者会議メンバーに俳優も?メンバー紹介と選出理由まとめ

皇位継承有識者会議メンバーに俳優も?メンバー紹介と選出理由まとめ

2021年3月24日に初会合があった皇位継承問題の有識者会議。

会議は6名の有識者で構成されており、わかりやすい問題点の整理を菅総理から求められています。

今回は、誰がメンバーでなぜそのメンバーが選出されたのかを見ていきます。

 

有識者メンバーの6名のプロフィール(※50音順)

大橋真由美さん

上智大学の法学部で教授をされている大橋さんは、著書も発表されており、「行政法判例50! (START UP) 」「行政紛争解決の現代的構造 (行政法研究双書) 」などを出版されています。

行政関連の分野に長けている方で、今回の有識者会議に限らず、過去にも下記の政府の委員会に参加しています。

法務省大臣官房行政訟務課調査員

総務省行政不服審査制度研究会委員

内閣府政府調達苦情検討委員会委員

総務省行政相談高度化アドバイザー

東京都行政不服審査会委員

内閣府地方制度調査会委員

文部科学省宗教法人審議会委員

やはりご自身の研究分野の知識をふんだんに発揮できる委員会に参加され協力されてきた方ですが、今回の「皇位継承」という問題を行政の分野からどのように切り込んでいくのかが気になりますね。

ちなみに、大橋さんは、一橋大学・一橋大学院卒の才女です。

出身大学:
一橋大学(1996年卒業)
出身大学院:
一橋大学大学院法学研究科 博士(法学)一橋大学
経歴等
成城大学法学部法律学科専任講師、同大学同学部同学科助教授、同大学同学部同学科准教授、同大学同学部同学科教授を経て、現在 上智大学法学部教授(法科大学院兼担)。
担当授業
環境法総論、行政救済法
研究テーマ・実績
行政救済法全般、特に行政が関わる紛争を訴訟以外の方法で解決するための手法について、アメリカの各種制度や議論を参照しつつ研究してきました。
研究・授業への取り組み
行政救済法は、近年主要な法律の改正が相次ぎ、動きの激しい領域です。最新の情報をフォローしつつ、様々な問題の下に横たわる普遍的な理論を追求していきたいと考えています。

引用元:上智大学HP教員紹介

清家篤さん(座長)

慶應義塾大学の前塾長を務められていた清水さんは、慶應義塾大学経済学部経済学科で労働経済学を専攻し、ご卒業されています。その後は、経済学者として労働市場の研究、特に高齢者の就業問題と社会保障問題について研究されている方です。

清水さんは、2016年に開催された「生前退位について検討する有識者メンバー」の一人でもありました。

日本私立学校振興・共済事業団理事長、慶應義塾学事顧問、慶應義塾大学客員教授。博士(商学)。専攻は労働経済学。
1992年慶應義塾大学商学部教授、2007年より商学部長、2009年5月から2017年5月まで慶應義塾長。

これまで社会保障制度改革国民会議会長、日本私立大学連盟会長、日本労務学会会長、天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議構成員、ハーバード大学客員教授、ILO仕事の未来世界委員会委員などを歴任。

現在、全国社会福祉協議会会長、経済社会総合研究所名誉所長、社会保障制度改革推進会議議長、産業構造審議会委員・同製造業分科会長などを兼務。

主な著書に『金融ジェロントロジー』(編著)東洋経済新報社(2016年)、『雇用再生』NHKブックス(2013年)、『60歳からの仕事』(共著)講談社(2009年)、『高齢者の働きかた』(編著)ミネルヴァ書房(2009年)、『エイジフリー社会を生きる』NTT出版(2006年)、『高齢者就業の経済学』(共著)日本経済新聞社(2004年、第48回日経・経済図書文化賞(2005年)受賞)、『労働経済』東洋経済新報社(2002年)、『生涯現役社会の条件』中公新書(1998年)、『高齢化社会の労働市場』東洋経済新報社(1993年、第17回労働関係図書優秀賞(1994年)受賞)などがある。2016年フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章。

引用元:ブレーン講師紹介

 

清水さんは、今回の有識者メンバーの座長であり、「スケジュールありきで拙速な議論にならないように、丁寧で落ち着いた議論をしたい」とコメントしています。

冨田哲郎さん

東日本旅客鉄道(JR東日本)の第5代代表取締役社長を務め、現在、JR東日本の会長をされています。

 

1951年(昭和26年) – 東京都生まれ。
1974年(昭和49年)4月 – 東京大学法学部を卒業後、日本国有鉄道に入社。
1987年(昭和62年)4月 – 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に入社。東京圏運行本部(現:東京支社ほか)総務部人事課長。
2000年(平成12年)6月 – 取締役・総合企画本部経営管理部長。
2003年(平成15年)6月 – 常務・総合企画本部副本部長。
2008年(平成20年)6月 – 副社長・事業創造本部長。
2009年(平成21年)6月 – 副社長・総合企画本部長。
2012年(平成24年)4月 – 社長[1]。
2018年(平成30年)4月 – 会長[2]。

引用元:wikipedia

東大の法学部のご出身なんですね。

2018年、テレビ東京系列「カンブリア宮殿」にもご出演されており、その経営手腕などが取り上げられています。冨田さんは「駅を人の乗り降りだけでなく生活サービスを提供する場」に転換していった方で、今となっては当たり前となっている駅ビルの商業施設の開発にも力を入れ、会社の黒字化を図った方です。その柔軟な思考や視点から、皇室が今直面している継承問題にどのような新たな視点をと入れることができるのでしょうか。

中江有里さん

芸能の分野からも一人選出されています。中江さんはテレビの「とくダネ!」に2013年からコメンテーターとして出演されており、目にされた方も結構いらっしゃると思います。2019年からは歌手活動を再開さており、現在、公式Twitterを見てもその活動の様子のつぶやきがほとんどです。

 

女優・作家・歌手
1973年12月26日
大阪府出身
法政大学卒

89年芸能界デビュー。数多くのTVドラマ、映画に出演。
2002年「納豆ウドン」で
第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞を受賞。
NHK BS2「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めた。
NHK朝の連続テレビ小説『走らんか!』ヒロイン、
映画『学校』、『風の歌が聴きたい』、
2020年『海辺の映画館-キネマの玉手箱』などに出演。

引用元:中江有里公式HP

 

女優、作家、歌手とマルチに活躍される中江さんですが、なぜ今回の有識者メンバーの選出に至ったのでしょうか。公式HPのプロフィール欄にこんな活動も記載されていました。

<委員、理事、客員教授など>
TBSテレビ番組審議会委員。(2015年~)
公益財団法人ブルーシーアンドグリーンランド財団理事。(2015年~)
産経新聞報道検証委員。(2017年~)
放送大学放送番組委員会委員。(2017年~)
公益社団法人日本文藝家協会評議委員。
天理大学客員教授。(2018年~)
一般財団法人 社会変革推進機構評議員。(2018年~)
第19期より文化審議会委員就任。(2019年4月1日付)

引用元:中江有里公式HP

大学の客員教授やメディア系の審議委員も務められているようですが、皇室に対しての深い見識が必要とされる活動は見受けられません。今回、政府高官が説明した通り、「皇室制度に強い主張を持つ人は避けた」と、中立性を重視したと人選の象徴のような方に見えます。

 

テレビでの朝の顔の一面もあり、国民から親しまれている中江さんの選出は、有識者会議からの報告に対して、国民の理解が得やすいという政府の狙いがあったのかもしれません。

細谷雄一さん

慶應義塾大学の教授である細谷さんの専攻は国際政治学です。日本の皇室の在り方について国際的な視点からの知識を必要とされたのでしょうか。細谷さんは、2014年から16年の間、安倍晋三政権において、国家安全保障局顧問会議顧問を歴任しており、政府と関わりがある方のようです。

 

職位  教授
略歴 学部 立教大学法学部(1994年卒業)
大学院 慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程(2000年単位取得退学)、博士(法学)
専攻領域 外交史、国際政治学
担当学科目 西洋外交史I、II、西洋外交史特殊研究、演習II
所属学会・団体 日本国際政治学会、日本政治学会、日本EU学会、国際安全保障学会、軍事史学会

 

引用元:慶応義塾大学 法学部HP

宮崎緑さん

千葉商科大学の国際教養学部長を務める宮崎さんは、1982年(昭和57年)から6年間、テレビのニュース番組「ニュースセンター9時」(NHK)のキャスターを務め、日本の女性ニュースキャスターの草分けとしても知られています。

今回のメンバーの清水さんと同様に、2016年に開催された「生前退位について検討する有識者メンバー」の一人でもあります。

 

学歴

昭和56年 慶應義塾大学大学法学部政治学科卒業
昭和58年 慶應義塾大学大学院修了

 

略歴
昭和57年 NHK「ニュースセンター9時」初の女性キャスターに
昭和63年 東京工業大学講師
平成12年 千葉商科大学政策情報学部助教授
平成13年 奄美パークの園長及び田中一村記念美術館の館長を兼務
主な役職
神奈川県教育委員
南日本新聞客員論説委員
日本計画行政学会理事
日本社会情報学会理事
日本シミュレーション&ゲーミング学会理事
(社)国際食糧農業協会理事
(財)芸術研究振興財団評議員
日本ペンクラブ獄中作家委員
など
引用元:未来生活懇談会委員HP

 

有識者メンバーの選出理由

今回のメンバー選出理由として、政府高官は、「皇室制度に強い主張を持つ人は避けた」と語り、中立性を重視したと説明しています。上記のメンバー紹介を見てもわかる通り、いずれも皇室制度の専門外からの起用は一目瞭然です。

財界、国際政治、行政学、女優・・このメンバー構成でどのような議題が話し合われるのかはこちらにまとめました。

>>皇位継承問題有識者会議の議題10の項目とは?わかりやすくまとめた

有識者会議とは、それぞれの見識を持ちより、あらゆる角度から1つのテーマに対して議論を交わしていくイメージがあり、今回のメンバー紹介をまとている間もずっと、「この人たちで本当に深い議論が出来るのかな」と疑問が湧いていました。

専門家がいないのに議論できるのか問題

中立性を保つことは非常に大事な点ですが、皇室に関する専門家がいない中、どうやって議論を進めていくことが出来るのでしょうか。そんな疑問が出てきたので、色々と調べていく間に、実はこの有識者会議、進行をするのは政府の事務方なのではないかということがわかってきました。旧宮家で明治天皇の玄孫としても有名な竹田恒泰さが、自身の動画でこう語っています。

「有識者会議は、ただの茶番劇で単なるパフォーマンス」

「有識者メンバーはただの客寄せパンダ!」

引用元:【youtube】お話しします。皇位継承有識者会議が全然意味ない理由を…|竹田恒泰チャンネル2より

こう言い切ります。(笑)

その根拠として2005年の有識者会議を挙げています。

「メンバーで皇室の専門家は1人。当時の座長だけ。」

「そのため、全十何回開催されたほとんどの時間は、皇室についてのお勉強会で終わり。」

「その後、メンバー間での自由な議論ができたかというと、その時間がなく、最初から決まっていた結論を『これでいいですね?』で終わった。」

引用元:【youtube】お話しします。皇位継承有識者会議が全然意味ない理由を…|竹田恒泰チャンネル2より

 

この見解を聞くと、なぜ政府が専門外のメンバーをわざわざ集めたのか納得がいってしまいます。建前は「中立性を保つ」ですが、すでに結論ありきのパフォーマンスなのでしょうか。

 

まとめ

今回は、皇位継承有識者メンバーの紹介と、その選出理由についてまとめてみました。

世間一般での「女性蔑視」「女性差別」などと同じくくりでは決して議論を進めてはいけない気がするのは、私だけでしょうか。

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